●肥料はどれくらいあげたらいいの?
プランター栽培であんまりきっちりと施肥量を計算する必要はないと思います。
むずかしく考えるとやる気も失せちゃいますし。
ただ一般的に肥料をあげすぎる傾向があるようですし、肥料が多いとアブラムシなどの虫が寄ってきやすくなりますので、やはりある程度の目安は必要でしょうね。
あまり細かく施肥量を示しても「そんなのやっとれん!」ということになりますので、ごくごく大雑把な分類としておきます。
■種類別施肥量 ※1平方m当たりの施肥量(グラム) 但し、成分量
分類 | チッソ | リン酸 | カリ |
実のなる野菜(実が次々となる) ナス、ピーマン、トマト、キュウリ、オクラ、ゴーヤ、ズッキーニ | 30 | 20 | 25 |
実のなる野菜(ひとつ、ふたつの実をつける) カボチャ、スイカ | 20 | 15 | 20 |
根っこ野菜 ダイコン、ニンジン、カブ、ゴボウ | 20 | 15 | 20 |
根っこ野菜(イモ類) ジャガイモ、サツマイモ | 10 | 10 | 15 |
葉もの野菜(玉になる) キャベツ、白菜、レタス | 25 | 15 | 20 |
葉もの野菜 小松菜、水菜、ホウレンソウ、チンゲンサイ、春菊 | 20 | 10 | 15 |
次々と実のなる野菜は何回かに分けて追肥します。
イモ類は肥料分すくなめで。
玉になるような野菜は気持ち多めで。
あとはすべて20−15−20くらいの施肥量でいいと思います。
これをもとに施肥量を計算してみましょう。
肥料の袋に書かれている数字はチッソ、リンサン、カリの重量比を示します。
例えば、「10−10−10」と書かれていれば、それぞれの栄養素が10%ずつとなっています。
3要素すべてを考慮する必要はなく、チッソだけで施肥量を計算すればOKです。
この肥料でチッソ20g分を与えるとすると、
20g÷成分量0.1(チッソ10%)=200gとなり
200gを施肥すればいいということになります。
と、これは1u(10000cu)あたりの施肥量。
横幅75cm×奥行き32cmの長方形プランターだと面積は2400cu
200g×2400cu/10000cu=48g
長方形プランターには約50gの肥料をあげればいいことになります。
さて50g。
化成肥料だと大さじ山盛りで15〜20gです。
2、3杯くらいで充分ということですね。
有機肥料でも成分表示がされている市販のものであれば同様です。
と、以上の情報をまとめます。
上記のような計算を毎回やるのは面倒ですので、結果だけを簡潔に書いておきます。
たいていの野菜は長方形プランターで育てる場合、大さじ山盛りで3杯を与えるべし。
ナス・トマトのような実のなる野菜は3杯与えつつ、追肥として2杯ほど余計に。
キャベツや白菜などは4杯。
こんな感じでどうでしょう?
けっこうざっくりと与えても普通に育ちます。
まあ多くやるよりは少なめがベター。
足りないようなら後から足せばいいですからね。
あんまり深く考えないでとりあえずやってみましょう。
●どのように与えると効果的?
肥料の与えかたとしては
野菜を作付けするまえに土に混ぜておく
というのがいわゆる
元肥の基本です。
葉もの野菜のように生育期間が短いものは必要な肥料分を最初に土に混ぜてしまいます。
最初の肥料分で収穫までいっちゃおう、という作戦ですね。
一方、実のなる野菜のように生育期間が長いものは、
追肥といって後から肥料を追加します。
その追肥のやり方は主に2通り。
ひとつが
土の表面にぱらぱらとまく方法。
これは化学肥料のような無機肥料に有効で、水やりのたびに成分が浸透していくので少しずつ野菜に肥料を与えることになります。
もうひとつが
表層の土と混ぜる方法。
これは有機質肥料に有効なやりかたで、土と混ざることで微生物によって有機物が分解されるという過程をふんでから野菜が吸収できるようになります。
有機物の分解という工程がプラスされるので肥料の効き方はゆっくりとじんわり。
長く安定して肥料効果が続くという点で理想的な与えかたといえます。